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丸に木瓜

成り立ち

木瓜は胡瓜の切り口を図案化したものといわれるが、本来は「カ(穴カンムリに巣と書 く)」と呼ばれる鳥の巣を象ったものといわれる。カとは地上に巣を作る鳥の巣であり。樹上に作られたものを巣と書いた。木瓜紋の古いものとされる徳大寺木 瓜を見れば、それがよく分かる。この紋のなかに散らされた小さな花は鳥の卵のことであるとされている。
 また、多くの神社の御簾の帽額(もこう)に使われた文様だからともいう。この紋は鳥の巣であるから、卵が増えて子孫が繁栄し、また神社で用いられる御簾から、神の加護があるというめでたい紋として諸家に用いられるようになったようだ。

使用家

 木瓜紋を用いた代表的な氏族は日下部氏、伴氏、紀氏である。日下部氏の祖先は孝徳天皇 の皇子の有間皇子の後裔より発し、子孫は代々但馬国養父(やぶ)郡を領し大いに栄えた。朝倉、朝来、太田垣、八木、奈佐の諸氏は皆この一族である。中でも 朝暮らしは広景の時、越前国に移り繁栄したので木瓜紋は越前から北陸地方にかけて広まった。織田氏が木瓜紋を用いたのも、朝倉氏から受け継いだものであ る。伴氏は道臣命(みちのおみのみこと)から出て、大伴氏とし称していたが、淳和天皇の名大伴をさけて、以後、伴氏と改めた。応天門の変以降、家門は衰え たが子孫は三河国に土着し、設楽氏、富永氏を称した。また氏族は大江国甲賀郡に住み、大原、毛枚(もひら)、大鳥居、山岡、笹山、伴の各氏が起こり、みな 木瓜紋を用いた。
 紀氏で有名なのは大名となった堀田氏がある。また公家では前述の徳大寺の紋が「雲上明覧」に載っている。
 このように木瓜紋の使用氏は多く、現在でも鷹の羽紋とともに一・二を争うほどの代表的家紋である。全国に至る所に分布しており、使用氏が極めて多い家紋 で、各氏族にまたがっているが、比較的藤原氏続が多い。地方別に見ると石川県、富山県、福井県の北陸地方に特に多いのが目立つ。これは越前国の朝倉氏の影 響が大きいと思われる。

「丸に木瓜」の使用氏族

1.箕輪氏東京功運寺

2.野村氏清和源氏義光流

3.曲渕氏清和源氏頼新流

4.西村氏未勘源氏

5.藤川氏藤原南家工藤氏族、旗本

6.永田氏藤原氏支流

7.森氏藤原氏支流

8.八木氏藤原氏支流

9.楢原氏藤原氏支流

10.山岡氏旗本

11.奥山氏遠江国より起こる清和源氏支流

12.大原氏近江国甲賀郡大原より起こる宇多源氏佐々木小原氏族、旗本

13.金子氏桓武平氏良文流

14.小川氏藤原氏秀郷流

15.伊藤氏

16.伊東氏

17.天野氏伊豆国より起こる藤原南家工藤氏族

18.内田氏三河伴氏族

19.川島氏藤原氏支流

20.大木氏筑後国より起こる藤原南家工藤氏族

21.新村氏魚津市宮津霊園

22.釣谷氏

23.本川氏

24.池谷氏遠江国より起こる藤原氏支流

25.大谷氏日下部氏族

26.石野氏

27.青柳氏信濃国更級郡青柳より起こる清和源氏武田南部氏族

28.中野氏

29.桜井氏甲斐国西山梨郡より起こる武田氏族

30.多喜氏近江国より起こる三河伴氏族

31.竹内氏三河国より起こる清和源氏義光流

32.芹沢氏相模国高座郡芹沢より起こる桓武平氏大 氏族

33.斎藤氏藤原氏利仁流

34.高橋氏遠江国城飼郡高橋郷より起こる藤原南家狩野氏族か

35.塩入氏武蔵国より起こる藤原氏秀郷流

36.黒田氏藤原氏支流

37.岩橋氏

38.黒瀬氏三河伴氏族

39.池田氏

40.佐藤氏藤原氏

41.野田氏

42.松浦氏

43.堤氏

44.福谷氏

45.岸氏

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